最近の人口動態を見ると、日本全体では漸減傾向の一方で、都心部、とりわけ東京への人口流入が目につきます。地方都市の人口を吸収しながら、肥大化する都心部、この構図は余程のことがない限り、ずっと続いていくのではないでしょうか。

流出元の地方都市もただ手を拱いているわけではありません。移住者・定住者を増やそうとあの手この手で頑張っています。そして今年からは住宅ローンの代名詞ともいえる「フラット35」で「地域活性化型」という制度が始まりました。いったいどんな制度なのでしょうか?

この制度を利用できるのは以下の2つの場合です。

  1. UIJターン
  2. コンパクトシティ形成

1番は何となく分かりますね。いわゆる地方への移住者が対象ということです。ただし対象の地方公共団体がこの事業への応募と審査に合格しないと受けられません。なお仮に合格した地方公共団体の場合、当初5年間の金利が▲0.25%です。(ちなみに対象外の地方公共団体から対象の地方公共団体への移住が条件です。同じ市町村内で住み替えても不可なのでご注意ください。)

そして2番。今、国は中心部への集約化を促進しています。遠く離れた場所に道路・水道・電気・ガスといったライフラインに係る社会資本を整備するのは勿体ないということです。つまり郊外の人家のまばらな集落から、中心部への移住が対象となります。

日本ではさまざまな「自由」が保障されています。しかしあまりにも「自由」を大切にすると、こうした問題が出てきてしまいます。一定の範囲内に居住できる人口を制限するのも「健康で文化的な生活」のためには必要ではないでしょうか。